関東ウェーブの会2019年度10月例会(105日土曜日)報告

 

☆今回は事務局員も含めて22名の方々が参加されました。

 

話題1:【躁うつのコントロールと生活リズムを整えることについて】

話題2:【双極性障害II型の躁状態】

話題3:【精神障害者から福島原発事故を問う】

話題4:【無職から就労までの動き方】

事務局から提案の話題:【障害者にとって労働とは何か】

 

 

話題1:【躁うつのコントロールと生活リズムを整えることについて】

 

◎提案者:うつ状態と診断されたのが20年ぐらい。

寝起きのリズムが安定しない。一週間の内に変わることもある。

明日の調子が明日にならないと分からない。

切り替えるきっかけ、起きてる時間長かったら明かりは我慢して消すとかいう工夫をお聞きしたい。

 

・就寝時間は固定しているか?

◎提案者:なかなかやれない。20時から10時まで、また朝2時とかに起きてしまう。

・基本的に寝る時間を固定する。寝る時間は眠剤の量を加減して整える。早く寝られるというのは疲れて寝られる?

◎提案者:その時による。

・疲れてる?

◎提案者:運動するとむしろハイになる。

 

・さっきも言った通りだけど、9時前に全部仕事を終わらせて、930分に眠剤飲んで10時に就寝。携帯のアラームを使用している。

 

・睡眠アプリがたくさんある。睡眠が浅い時にアラームが鳴る。

 

・携帯のアプリで就寝時間2時、起床時間10時目標の時間にして、それができたらほめてくる。エスヘルス。

 

◎提案者:睡眠時刻が整うまでどれくらいかかった?

1か月

・数年

 

・メリハリつけないとだめよと主治医に言われた。主治医の指導が厳しい。

 

・就寝時刻一定という話があったけど、本当は逆。起きる時間を一定する。早寝早起きでなく早起き早寝。就寝時間はいつでもいい。疲れが溜まってどっかで寝られるようになる。何年単位の時間かかったが。

2014年の厚生労働省の睡眠12カ条。

(参考:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

起きる時間は強い意志と体力が必要だけど、それが最新の睡眠障害の解決法。

 

・太陽を浴びると言われていたけど、うつでだとできない。でも就労できるようになって毎朝決まった時間に光浴びているので、それですごく睡眠に関して改善された。

 

・眠剤の種類?

ハルシオン。毎日は使わない

 

・そのガイドラインというのは躁うつよりは睡眠障害全般?

睡眠障害全般

 

・早く寝ちゃっても途中で起きてしまうというのは中途覚醒。中途覚醒をどう解消していくかは主治医と相談する。せっかく早く朝まで寝られたらめちゃくちゃいい睡眠。前の人がおっしゃったように起きる時間を決めるのはいいかと思う。睡眠障害に特化したクリニックに通ってみるのはどうかと思った。

 

・寝られない時期というのはあって、薬を飲む時間を早めにする。仮に寝られない時間が続いた時期、銭湯に行って44.5度のサウナに入ってゆでだこ状態になると、寝られやすい。

 

・マイスリーを処方されている。就寝時間は9時半ぐらいにマイスリーを飲んで、その三十分後に頓服。早起きしちゃったら30分〜40分ウォーキングをする。

 

 

話題2:【双極性障害II型の躁状態】

 

◎提案者:双極性II型は、躁うつとは少し違う人もいるし症状も違う。

 

・寝る時間ももったいなくて、躁になった時風呂に入る時間が減る、活動する時間に回したい。睡眠時間が短くなる。

 

・ご自身はそこまではない?

 

○あまり躁がない方:

・一時期すごいひどかった時は、散財がすごいひどい。ブランドの物ばかり買ってしまった。そのお金が無くなってネットビジネスに手をつけてしまって失敗してしまった。

・ほぼ寝ないし食べないし、躁の時は逆にお風呂に入る。おしゃれが派手になる。だいたい45日。

 

・躁はそんなに強くない。軽躁状態になるととにかくイライラする。寝ないというエピソード、学生時代寝る時間が少なかったけど他の人にもいるレベルだった。

 

◎提案者:明らかに一般の人とは違う?

活動量が多いし、それができない人はバカなんじゃないと見下していた躁的思考。

 

 

II型のわりには躁状態のエピソードの激しい方:

・ギャンブル。すごく喧嘩っぱやなくなる。I型の人と違うのは、あまりもたない。結構自由人になる。

 

・躁状態にならない。自殺計画が好き。ダークウェブ。このようなエピソードがII型だとすればII型。論文を書く時すごい集中する。最後まで一気にやっちゃう。2日〜3日ぶっ続け。でもそれはADHDの症状かもしれない。

 

・外出がひどくなってじっとしていくことができなくて遅く帰宅する。散財することが多い。当事者会に参加するともう少しみんなと話したいと、家に帰りたくないと感じてしまう。仕事とかにのめり込む。睡眠時間は45時間は必ずとります。

 

I型とII型の躁は何が違うのか?

体力と期間。

 

・ずっとうつ病だけだと思ってた。ある日診察の時に、躁うつ病だと言われた。先生に、テンションが上がっていると言われた。それ以外にテンションが上がる時、寝る時間が減るという症状はない。

 

・人にあたってしまう。それがきっかけで発見された。I型は躁の状態は長い、II型は短くてふっとくる。

 

・パキシルで躁転した時は誇大妄想になって暴言吐いてた。散財もしてしまった。その後リーマスとデパケンにたたかれてしまって、67年あからさまな躁転はしてなかった。8時頃から脳の回転が速くなってしまうという現象が起きてしまっている。メジャーで押さえつけないといけない。それは軽い躁状態だったなと思っているけど、期間が短い。

 

I型とII型の違いは期間とかエネルギーとみなさんおっしゃっていたけど、まさにその通り。I型の人は活動しても全然疲れなくて、長時間しゃべってられる。レベルもI型とまったく違う。

 

 

話題3:【精神障害者から福島原発事故を問う】

 

◎提案者:福島は今年の四月の時点で4万一千人避難している。汚染水も処理できていない。

 

・それは障害者の立場からということか?一般?

◎提案者:福島の避難者も社会的弱者で障害者も社会的弱者。

 

・原発事故をもって精神の病を抱えることが増えた

 

・お薬手帳を持っていないとダメだと思った

 

・僕が住んでいるところでは、災害があれば家族が精神障害者のケアをしてくれる。優先順位を高くしてもらう手続きを取れる。その具体的な中身は分からないのですが、東京都としてやっている。

 

・災害で経済まで止まってしまってうつになってしまった。直接は関係ない。

 

・被害者になった方が精神疾患になってしまった、不安障害になったということが思い出された。でかいことなのにオブラートに包まれているから、ちょっとした情報が出ていない。そういう情報を引き抜いてまとめると良い方になるような気がする。

 

・率直に思ったのが3.11に関しては、僕の中でも風化されてしまっている。湾岸エリアに住んでいて液状化もすごかったけどなんだよ、と思っていた当事者だったのに、そんな自分ですら風化しちゃっている。オブラートに包まれて3.11というものがあったね、だけど色々な問題があったね。もっとマスメディアが国民に情報を流す。被災者同士でのコミュニケーションもあるのか?

◎提案者:地元でも風化してしまっている

 

・一番簡単なのに17千人避難住民がいるのであれば、それをやるためにどういう風にやっていくかアプローチをすれば、何か知れば、道が見えていくのか。精神疾患を抱えている方は当事者会をやっているので目的意識を持って、誰か声をあげていく。3.11風化させちゃいけないよね、一人で放っていく。SNSを使って何とか自助会になっていくのが現実的。

 

◎提案者:帰りたいけど帰れないというのはリアルに接している。

 

・オリンピックを開催するのは福島原発の問題がくすぶっていると問題になる。そういう状態が続いているということだと大変なことになる。オリンピックに向けてどういうふうに沈めていくのか、マスコミにも圧力がかかっている。例えば放射能があっても常磐線を通してしまうとか。

 

・南相馬は精神科はあるのか?南相馬事件。

◎提案者:解除になっている。精神科病院がある。

 

 

話題4:【無職から就労までの動き方】

 

◎提案者:本来であればデイケア→就労移行→オープンという知識はあるけれども、そこについて皆さんなりの考え方などご指導アドバイスあれば。

 

・デイケアってお金払うんですか?

払います。

 

・雇用者には躁うつ病を持っていると言っていますけど偏見とか持たれていない。自分で動くこと。知り合いもたくさんいる。

 

・一回病院のデイケアに行ったことあるけど、全然なじめなくてずっとクローズドで週2回週3回のバイトを転職しながらやっていた。今も転職予定。精神的負荷が高すぎる。収入には結びつかない。就労移行支援を通してオープンに行きたいなと考えている。

 

・就労(継続支援)B型に行っている。あくまで就労移行支援などは体力の維持。負荷かけて乗り切れるかどうか。就労移行って出口側。就労Bは期間も無期限でもいいし作業は軽作業。それだけの通勤も含めて体力も養う。自分の場合は出口は普通の人と違うけど、何をよりにしても体力は今から養っている感じはある。

 

・何年もうつ期のあとに週5時間とかだったのがだんだんと週4日なってきた。泣きそうになってしまった。実は躁うつかと職場にカミングアウトした。1週間働けないことを問題にされてしまいそう。

 

・昔は無職になってハローワークに行くという手段しかなかったけど、就労移行支援のような橋渡しができてきた。障害者にとっては就労ということに関して少し有利になってきたと思う。

 

◎提案者:この話題提案をした後に、デイケアを飛ばしてもいいよ、就労移行支援通っていいよ、と主治医に言われた。週12から始める。

 

・就労移行支援のコネで就職した。

 

 

事務局から提案の話題:【障害者にとって労働とは何か】

 

今年度前文:

 躁うつ病(双極性障害)は完治することが難しい障害です。躁状態と鬱状態を繰り返すことから、多くの当事者は、理解を得られず、孤立を強いられ、長い間当事者同士が集う場もありませんでした。

 関東ウェーブの会は、そのような現実を変えていくための集まりとして2006年に発足し、10年間の経験を積み重ねて、2017年に会員制の当事者会となりました。大切なことは専門家などの手に委ねず、当事者自身の手で創り上げてきたということがあります。

 障害者も就労して自活するべきだと言われる一方で、その環境はあまりにも進んでいません。複雑な困難に向き合っている障害者がその違いに関わらず、力をまとめて、障害者と全ての人々が幸せに生きることが出来る社会を求めていくのが当事者会の役割です。

 この会の精神を継続するために必要最低限度の会則・細則を、ここに定めます。

 

2018年度会則の前文:

 躁うつ病(双極性障害)が生涯にわたる過酷ないであることは言うまでもありません。当事者は周りから理解されず、孤立や孤独に陥りどんなに追い詰められようと、自ら集う場も皆無に近い状態が続いていました。

 この会はこの現実を乗り越えて、公的機関や専門家の手に委ねず、躁うつ病者自身の手によって2006年につくられました。それ以降、躁うつ病者のための会員制の当事者会の成立に至る長年の営みを続け、当事者同士がまとまる力を培ってきました。

 躁うつ病者が幸せに生きるためには社会や周囲に向きあい、身に余る困難を克服し、人々があまねく幸せに生きることができる社会を求めていく必要があります。

 「障害者の自立」が前提のように語られる状況のなかで、自立できるできないにかかわらず、どのような厳しさが訪れようと、この会の精神を継続するために必要最低限度の会則・細則を定めるものです。

 

◎事務局員:問題意識は前回の総会において会則を改定した。その中で今からその部分(上記下線部分)だけ読む。

・今のような文面で採決はした。その前の討論において、躁うつ病の問題の前文の中に就労のことだけ捉えられていておかしいのではないか、躁うつ病にはいろいろな問題があって、就労以外にもあると思う。

その前年度は「自立する自立しないにかかわらず」にしていた。事務局は就労するかしないかだったけど、言葉としてはぼやかした。

今年は就労という言葉は明らかにしておかしいのではないかという意見が出て、1年間かけて話し合って次の総会で決めましょう。

12月の運営交流会で論議するということになる。突然論議するとどうなるか分からないから、根本的なところからすり合わせていきたい。

それで障害者にとって労働とは何かということにした。就労ではなく労働にしたのはもっと本質的なところで話したかった。事務局の中でも一致していないけど、皆さんの意見を組んで今後を考えていたい。

普遍的な意味で人類にとって労働とは何かという話をした。人類にとって必要不可欠なこと二つある。一つは人間を作ること、二つ目はものを作ること。

労働というのは人類にとって極めて労働は極めて重要である。

 

◎事務局員:コトバンクにもあるように、労働は「他の動物にはみられないもっとも人間的活動で」「自然についての人間の認識、自然に働きかけるにあたっての目的の確定、自然へ働きかける人間の行為――これら一連の人間の活動が労働」。

 

◎事務局員:労働は格段に人間にとって重要がどうかお聞きしたい。

その論議は二種類はあると思っていて、労働という対価という意味でも労働なのか。

本質論として、労働の結果何か価値が出ること、誰かに対価をもらうこと。

他の動物に比べて社会的な動物と言われているので、物を作るということですから、その論点でいうと労働は必要だと思う。

ここで断っておかないといけないのは、労働というのは人間のみが行うこと。目的意識的にものを変化して自然に働きかける。

 

・単純にお金を稼ぐための手段だと思う。

 

◎事務局員:自分の農地で農作して自給自足するのも労働だと矛盾してしまう。

 

◎事務局員:労働というのは賃金労働となっているけど普遍的なところで考えると、障害者にとって生活することそのものが労働。賃金労働に限らないのではないか。

 

◎事務局員:会に来られない人はどうなのか。重度の障害者は口に食べ物を運ぶのさえ労働。自分を維持することが労働になるという考え方に立つのは、皆さんどうなのか。

 

・賃金が発生するか発生しないか以前に生きてるだけで労働という定義、概念はあるけど、労働は障害者にとって「生きがいになるかもしれないもの」。労働によって救われている障害者たちもいるんじゃないかと。自分の居場所を見つけたり、生きがいを見つけたり。すべての障害者でもないし健常者にも言えるけど。

 

◎事務局員:人間は一生懸命考えて自分の仕事は役に立つと解釈して働いている。障害者にとって、基本的に障害者が生きるために行う活動は労働であると規定しているけど、反対意見を聞きたい。

 

・労働とは何ぞやという哲学的詮索はここで話すことではない。お金の件ですけどボランティアやられていると言っていたし。お金に何不自由なく生まれて後進国にボランティアに行っている人も労働。原則はお金と労働は比例するとは思うけど、中に例外もある。お金発生するかしないかは詰めなくてもいい。

 

・就職活動8年間のブランクをしているけど、仕事をしてお金をもらいたい。社会を貢献したいと思っています。お金もらってなくても労働であると思う。生活保護などのセーフティネットがあるのは当たり前のことで。

 

◎事務局員:結論的なことを言うと、会は誰一人排除しないということを徹底している。その中で一番重点を置かないといけない。特にここに来れていない人たち。そのことにとって一番困るのは、こういう風にみんながまとまって進んでいく中でこの中で亀裂が生じることを危惧する。普遍的な労働(の概念)を出したというのもそうだけど、賃金労働ということが全体の障害者の中で一番大きな問題になっている。働いている、働こうとしている、働けない障害者。障害者は就労しないといけないですよ、という大きな動きな中で。そういうことは、こういうことは、あってはならない。

就労するかしないかにかかわらず障害者の幸福を目指すということを入れたい。

あれこれ問題がある一つであるのではなく。どーんと高いところに就労問題が来ていて。

 

 

☆懇談会の報告は以上です。

終了後の懇親会では、夕食を食べて、歓談しました。

その後、有志で二次会を行いました。