関東ウエーブの会 2017 年度第 11 回例会 報告

今回はスタッフも含めて 18 名の方々が参加されました。皆さんどうもありがとうございました。

初めは、皆さんに自己紹介をしていただきました。その次に行われた懇談会を要約します。全部で 4 つの話題を話し合いましたが、最後の話題では 6 月の総会(詳細は報告の末尾)に向けたお話しもできて、活気あふれるお話しができたと思います。

話の流れとしては以下の通りです。

 

1)当事者と家族の関係(ずれ)について

2)アメリカフロリダ州での銃乱射事件について(2 14 日)

3)社会とどう関わっていくか、仕事観など

4)細則第2条(会員資格(躁うつ病当事者とその周辺)の検討

 

1)当事者と家族の関係(ずれ)について

話題提案者1:私は病識を踏まえた上では入院しないといけない。しかし、家族には入院に良いイメージがない。働いていないとお金がなくなる、入院中は楽しむことばかり要求していると言われてしまう。認識の違い。それで関係がぎくしゃくして、破綻してしまう。

普段(治療に専念しているのに)がんばっているのを認めてもらえない。

入院するのはあなたの勝手でしょ。となってしまう。

 

話題提案者2:前提条件として、一人でいるのはすごく楽。この病気を一因として人から距離を置くようになった。

今思えば一緒に誰かいるということがきつかった。

親兄弟との関係。病気のことをは話しているけれど、家族は詳しくは病気がどういうものなのか分からない。躁うつとは伝えているけれど、多分うつ病という風に捉えている。

仲良くやっていきたいと思っていたところ、兄弟に言ったら、あちらはそう思わなかった。

兄弟の LINE を作ったけれど無反応。ハイの時に長文を送ってしまった。

どうやって関係を修復できるのか、それともこのまま無理やり修復する必要はないのか。

物理的距離は離れていても、精神的距離は近くしたい。

 

・前は色々あったけれども、なんとか最近少し雪解けしてうまく回るようになった、考えの転換ができた、折り合いをつけられた

 

・誰でも分かる躁うつ病の本を渡して読んでもらった。

そこまで理解してもらえなかった。病状が出ちゃった時には家族もされるがまま。家族側から押さえつける感じでうまく回っている。波風は立たない。

・家族側が理解するのを放棄してしまう、解決しようとさえしない。

・愛されていれば。自分もそれに甘えないで、自分からも歩み寄って。自分が思っていること、感じていること、症状のこと、自分の中で消化して流すんじゃなくて、どうやってご家族に伝わるか考えたい。

・家族、交際相手、兄弟間の関係は、ゆとりがあればそれなりに理解する時間、自分の中で整理する時間があるし、家族の理解を得られる。理解する時間を持てない場合が多い。

・躁うつ病は人間関係でのやらかしありきな病気で、普遍的な問題だと思う。

・病気は性格なんだと突き放されてしまうことはあるのだろうか。

・性格なのであれば、自分でコントロールできるでしょと言われているとこがある。

・病気を知ることができる家族は、愛が基礎にある。理解しているかどうかに関わらず許容してくれる。相手のことを考えたいがためにに知る。この野郎と当事者を責めるために調べる人もいるが。知る関係の根本は何なんだと考えないといけない。

・自分のことを知ってもらいたい。先生も含めて話しましょうと場を作ったものの、家族が先生に質問する内容を聞いて、次元の浅さを感じた。主治医と必死に説明したけれども、そんなに理解してもらえなかった。

・突き放されたら考え方として、一人になった解放感を堪能する。

・プレゼンしたところで理解されるかどうかというのは、また別の話し。

・理解されたいとはまた違う。受け入れてほしい。

・根本問題は愛情とかあるけれど、愛情がない=理解を得られないというとそうでもなくて、愛情を持ちたくても守らないといけないものがあって距離を置かれることもある。

・家族は家族で本当に苦しみがある。性格の違う、人間的に深い苦しみがある。それを超えられるかというと、そう簡単じゃない。ある程度以上無理なものは無理だと割り切る必要がある。理解できないのに理解しようとさせるのは逆に関係が悪化するから。外形的なこと、つまり自分がやったことが躁うつ病の結果なんだということは理解してもらって、それ以上に自分がどれぐらいつらい思いしているか、精神面は理解してもらえることを望むなと主治医から言われた。相手の立場から考える。我々は弱い立場にあるから、なかなか難しいけれど家族の立場を考えてみる。

2)アメリカフロリダ州での銃乱射事件について(2 14 日)

参考資料:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26988950W8A210C1000000/

「トランプ大統領は「精神障害者の問題であり、銃規制の問題ではない」と言明

スタッフより:フロリダ州においてある高校を退学になった男性が連射で打てるライフルとすさまじい弾薬を持ち込んで、乱射をするという事件が起こった。それに対してトランプは「これは精神障害者が起こした問題であって、銃規制の問題ではない」と言う方向性を打ち出した。

相模原事件という悲惨な事件があって、それについても関東ウエーブで討論したが、今の大不況の時代というのは、ことによれば、優性思想と言われるんですけども、障害者の責任にして、断種法や抹殺、ナチス・ヒトラーがやったこと。現代においても、そういう可能性に向かっていくというのは充分にある。なぜそうなっていないかというのは第二次世界大戦の結果なんですけども。今回トランプが言っていることというのは非常に大きな問題があって。実はヒトラーを助けたのはアメリカであり、優性思想においては、フォードなんです。

結論的に言えば、精神障害に対する対策と言うわけなんですが、結局対策としてはそういう触法的な異常な障害者というのはどう抑えていくかということにしかならない。そういう方向にガーッとアメリカを始めとして、全世界的に事が進んでいく可能性が十分あるというところでみんなで討論をしていきたいということで提案しましたけれども、今回時間がないので、一応提案理由だけ言ってこれは終わりにしたいと思います。

(3) 社会とどう関わっていくか、仕事観など

話題提案者:なかなかハードルが高い。社会とどう関わっていけばいいかという岐路に立たされている、色んな形があると思う。社会と関わる中で、自分の中のここは大事にしている、ここだけは譲れないというものがあれば、皆さんにお聞きしたい。

・生き方に関しては楽しいことをできれば、死んだ時にあまり後悔しないようにする。

仕事観 ひきこもりの経験をしていたからそれを活かした仕事をしたい。

・発病する前は絵を描いたりアート活動を主にやっていた。病気になってから創作活動をすると上がり気味になって危なくなった。色々とだいぶ落ち着いてきたので、これからは色々やっていきたい。躁うつ病のせいでやりすぎちゃうのが常。体はボロボロ。何のために生きていこうと思うのが多々。病気だけどやりたいことは明確にある。ゆるい感じで。

・この病気になって仕事を計画的にこなすように心がけるようになった。社会とのつながりを持っていきたいという気持ちをもっていた。生きている以上だれかの糧になっていきたい。言葉と文章の力を追求していきたい。

・仕事観 自分の強みをもってたつことを厳格にする。強みを生かせるような仕事を続けたい。成果を出さないといけないけど、(強みを生かせる)そういう形で貢献していきたい。

コアにある強み。自分の場合はマーケティング

・仕事で言うと、一人で暮らしていて、何で働くのかを考えると、自分の生活を維持するだけという風に考えるのは病気になってからはしんどい。若い猫を飼っているので、猫の寿命まで働く、それを楽しみながら幹にしている、やりたい仕事を会社から任せてもらえるようになった。現状維持すればいいのかなあと思ってる。病気だけど今はつらかったり、うまくいかないことがあったとしても、その中でできていることを見てくれる人がいると思うと、変化があったんだなと言える。・躁の時は能力が発揮できることが多いのではないか。

森の仕事ガイダンス。

・躁の時に入社試験が受かった。躁を利用してステップアップする。

・病気で手に入らないことが多い。祖母としての立場、読み聞かせのボランティア。小さな幸せ。ないものを数えるよりあるものを数えていく。

・病気との兼ね合いでの仕事の責任の重さ。無理のない程度で仕事を探す、岐路に立っている。仕事でなくてボランティア。ホームレスの方の関係のボランティア。

・就労移行支援。パン屋。

・無職の間は、うつについて振り返る期間になった。医者から就労移行支援を勧められた。仕事一本に突っ走りすぎた。ストレスを発散しきれない。重きを仕事にしてはいけない。

私生活の方に幸せを求める。

・人とのつながりが大事だと思った。手にあるものを手の中からこぼさないようにしていきたい。

・ハムスターを複数飼いするようになった。今までの常識では個別飼いだったが、ゴールデンハムスターが必ずしも孤独を好まないと知れて、簡単に言うと人間の関係の縮図に見えた。そこから学びたい。

・在宅ワークも考えている。

・働くということの概念が 100 年以上とこの 100 年とまったく違う。働けない人間も存在する。

・弱肉強食でなく適者生存

スタッフより:下記ページを紹介。

「弱者を抹殺する。不謹慎な質問ですが、疑問に思ったのでお答え頂けれ... - Yahoo!知恵袋」 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1463546664

話題提案者:日々笑って暮らす。笑顔があって生活すると言うのが一番。皆さんやっぱり正解はない、常に状況は変わる中でも、自分の表現方法だったり、自分の大事にすることを抑えつつ探り探り生きていられるんだなと。

笑って過ごすにはどうすればいいんだろうと考えていきたい。

4)細則第2条(会員資格(躁うつ病当事者とその周辺)の検討

当日配布した資料より抜粋:

会則より:

「(構成)

5 条この会は会員で構成する。

2 会員は,躁うつ病当事者及びその周辺とする。

但し,当会の目的,特に当会が公的機関や権威から自立した存在であるという当事者会しての原則を歪めようとする者を除くものとする。

但し書きに反して入会した者は総会において除名することができる。その場合は,その者に弁明の機会を与えなければならない。

躁うつ病当事者及び周辺の内容は細則に定める。」

細則より:

(躁うつ病当事者とその周辺について)第 2 条本会で躁うつ病当事者とは,躁を一度でも経験したことがある者とする。その内容は,躁うつ病・統合失調感情障害・非定型精神病と診断された者。さらに医師の誤診などで明らかに躁転を経験したことがあり,躁うつ病の病名の診断を受けていない場合。

2 周辺とは,当事者の家族と交際相手とする。」

上記は、設立総会でざっくりこちらの方で決めてしまったこともあるんですけど、スタッフとして、二つここで変えたい点がある。結論から言うと、

1.会員は躁うつ病当事者で固めること 2.一般参加者の中の「その周辺」という解釈を広げていきたい。これについてご意見をいただきたい。

1.について補足関東ウエーブは昔はオフ会だったんですけれども、会員制にした理由は運営主体(会員)が躁うつ病者であって、その躁うつ病当事者が実際当事者会を作っていくためだったんですが、考えてみると、細則第 2 条にあるように、会員に他の人が入いるとちょっと変な話し。会の中心、運営主体、実際会の方向性を決めて行くのは躁うつ病当事者に限るという風に変えたいとスタッフで討論して考えてきた。

2.について補足さらに、現在の会則では、一般参加者の資格が書いていない。一般参加者とは、毎月 300 円で参加する会員でない人。だから、会員は躁うつ病当事者だけにして、ちゃんと一般参加者というのを会則に設けて、その資格にその周辺も盛り込むことをスタッフの中で討論して考えてきた。

会の軸を躁うつ病当事者とちゃんと固めることができれば、つまり実際の議決権や決定権が躁うつ病当事者にあることを決めれば、その周辺の解釈をもう少し広げられるんじゃないかと。

自分が信頼して、ここに連れてきたい人が家族か交際相手じゃなかったらどうするのという問題提起が去年の 12 月の運営交流会で出された。過去に参加者の方で看護師の方がいらっしゃって看護学で言う「キーパーソン」という概念を紹介して下さった。当事者が信頼関係を持っている人を一人決めることができる、それは家族や交際相手でなくてもいい、友人だったりペットでもいい。特に私たちは孤独で実際に理解のある家族や交際相手がいない方もいらっしゃると思うので、もうちょっと解釈を広げた「その周辺」を考えて盛り込みたいとスタッフの中で考えてきた。メールでアンケートで総会に向けてご意見を募る予定だが、ご意見を今の段階でいただければと思います。

・キーパーソンの話しはしっくりきた。

・解釈を広げたら関係ない人に聞いたら嫌かどうかは、アンケートで聞くのはどうか。

スタッフより:メールで行う予定

・幅を広げると求めてない情報が入ってくる。例えば医療関係者。

スタッフより:参加資格に該当しない方が参加したい場合はスタッフ会議でゲストとしての参加を検討することを考えている。基軸はあくまで躁うつ病者(第 5 条2の但し書きを参照)色んな要素を取り入れていたいけど、したくても現段階では会として入れる力を持っていない。

・現時点で、会員で病気じゃない方はいるのか?

・医療関係者が来た場合、「こういうデータを取たいから」と質問してくるかもしれない

・キーパーソン 横文字 もっと分かりやすくできないか。

・キーパーソンは一人の参加ではなく、当事者と一緒での参加でないといけないという風にすればどうか。

・当事者でなくても会員になれる基準を設けたらどうか。 例えば、5 回以上参加したら。

スタッフより:メールでアンケートを出す予定。スタッフだけで決めるつもりはない。総会に向けて皆さんと充分な議論をしていきたい。

・キーパーソンは日本語が思い浮かばない 日本語で表記するのはどうか。

スタッフより:キーパーソンは看護学で用いられている、信頼性のある用語なので採用したいところ。それを採用して、その内容を私たちの中で定義をしっかりしたものとして会則に盛り込むのでどうか。

懇談会の報告は以上です。懇談会終了後の経過としては、懇親会で夕食を食べて、歓談しました。その後、有志で二次会を行い、居酒屋へ行きました。

みなさんお疲れ様でした。また会いましょうね!

**会よりおしらせ**

6 月に 2018 年度総会を行う予定です。それまでの例会の一つの話題は総会に向けて皆さんと討論を行う時間を設けたいと考えています。躁うつ病当事者が軸になって会の方向性を決めていくために当事者会にしたので、できるだけ色んな声をその中に取り入れていきたいです。よろしくお願い致します!

2018 年度も引き続き会員となられる方は3月終わりまでに年会費をお願いします